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トピックス2017年10月05日

RSウイルス感染症に注意=呼吸困難、ぜんそく悪化も

冬場に注意すべき感染症の一つがRSウイルス感染症。
RSは「respiratory syncytial(呼吸器系合胞体の)」の頭文字。
インフルエンザと同じように強い感染力を持ち、1歳までに約50%、2歳までにほぼ100%が最初の感染を起こします。
一度かかっても免疫ができにくく、終生感染を繰り返す特徴があります。


■ぜいぜいという呼吸

RSウイルスの潜伏期間は5日前後で、初期には鼻水、微熱など風邪に似た症状が表れます。
生後6カ月までの赤ちゃんが初めてRSウイルス感染症になると、気管支炎や肺炎などを起こしやすいです。
最初は風邪のようでも、そのうち高熱やせきが出ます。
ぜいぜいという呼吸音が聞こえたり、息苦しそうだったりする場合は、RSウイルス感染症の可能性が高いです。

国立感染症研究所・感染症疫学センター(東京都武蔵村山市)第六室の木村博一室長は「この時期は、赤ちゃんに鼻水、微熱が見られる程度でも早めに小児科を受診してほしい」と勧めています。

慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)やぜんそくなど肺の慢性病がある70歳以上の人がRSウイルスに感染すると、肺の病気が悪化する恐れがあります。
一方、2歳以上の健康な子どもや成人は、感染してもそれに気付かず風邪のまま終息することが多いです。
しかし、感染源になる恐れがあるので、赤ちゃんや肺の持病のある高齢者がいる家庭では注意が必要です。


■十分な栄養と睡眠を

RSウイルス感染症の検査は、迅速診断キットを使えば10分ほどで結果が分かります。
特効薬がないため、治療は症状を抑える対症療法が一般的で、水分、睡眠、栄養を十分に取って経過を見ることになります。

RSウイルスのワクチンはまだ開発されてないませんが、重症化を抑える薬があります。
ウイルスを狙い撃ちするモノクローナル抗体「パリビズマブ」という予防薬で、流行期間の10月から翌年3月ごろまで毎月注射します。
早産児や、慢性の肺疾患、生まれつきの心臓病、ダウン症などの子どもには健康保険が適用されます。

「RSウイルス感染症が重症化しやすい乳児や高齢者に感染が広がるのを防ぐことが肝心です。
特に、家族は手洗いとうがい、マスクの装着を心掛けてください」と木村室長は呼び掛けています。
(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

(時事メディカルより引用)

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