五種混合(DPT-IPV-Hib)

病気に感染したときの症状など

Hib(インフルエンザ菌b型)は、鼻やのどから入って、脳を包む髄膜、のどの奥の喉頭蓋、肺などに炎症をおこします。早期の症状は熱と不機嫌くらいで、血液検査をしてもかぜと区別できないことも多いのです。このため診断が遅くなりがちです。その後、ぐったりする、けいれん、意識がないなどが出てきます。そのうえ、抗菌薬が効かない耐性菌も多く、治療は困難です。亡くなる子どもも2~5%いて、脳の後遺症が残こることがあります。

ジフテリアは、ジフテリア菌の飛沫感染で起こります。症状は、高熱・のどの痛み・犬吠様のせき・嘔吐などで、偽膜と呼ばれる膜ができて窒息死することもあります。

百日せきは、百日せき菌の飛沫感染で起こります。普通のかぜのような症状で始まりますが、乳幼児はせきで呼吸ができず、けいれんを起こしたり、脳症などの重い合併症を起こすなど、命にかかわることもあります。

破傷風は、土中の菌が傷口などから体内に入ることにより感染します。最初は口が開かなくなるなどの症状がでて、やがて全身のけいれんを起こすようになり、治療が遅れると死に至ることもあります。

ポリオ(急性灰白髄炎)は「小児まひ」とも呼ばれますが、大人もかかる病気です。ポリオウイルスが口に入って感染し、1,000人~2,000人に1人の割合で手足のまひを起こします。まひは永久に残ることもあり、症状が進行すると呼吸困難により死亡することもあります。

予防接種の種類

不活化ワクチン

接種後の副反応

注射部位が腫れたり、赤くなったり、しこりができることがありますが心配はほとんどありません
通常2~3日で治ります。接種後数日を経過して、これらの症状が出ることもあります。
不活化ポリオワクチンなのでワクチン関連麻痺(VAPP)の心配はありません。

その他

日本では、これまで経口生ポリオワクチンによって、ポリオの根絶と維持を行ってきました。しかし、ごくまれに生ワクチンに由来する麻痺(ポリオ症状)が報告されていたことから、生ワクチンから不活化ワクチンへの切り替えが検討されてきました。その結果、2012年から不活化ポリオワクチンを含む四種混合ワクチンが使用できるようになり、ワクチンに由来する麻痺は報告されなくなりました。
また、2024年4月から四種混合(DPT-IPV)とヒブワクチンを混合した五種混合ワクチン(DPT-IPV-Hib)が導入されました。